アスベスト健康被害:省庁交渉と総会に参加して
中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 神奈川支部 前田璃佳
6月27日に衆議院第一会館で省庁交渉が開催されました。この省庁交渉は、「中皮腫・アスベスト疾患患者と家族の会」がアスベスト健康被害に関する制度のすき間や補償の格差のなくすよう環境省庁、厚労省等へ働きかけ、行っているものです。
私が省庁交渉に初めて参加したのは父が中皮腫で亡くなって5ヶ月後の2023年でした。当時は何もわからないまま参加しましたが、今思えば、この時の経験がきっかけで家族会の活動に関わるようになり、今回が3回目の参加となります。
当日は、北海道から九州まで全国各地から約50名が集まりました。また、当日会場へ来られない方々もユーチューブ配信を通してご自宅等から視聴・参加されました。
事前に提出した「要望書」に対して各省庁からの回答を受けますが、私達の訴えはなかなか届かず、毎年、杓子定規な回答にもどかしい思いを感じています。アスベストにより健康を損なった患者さん達は治療薬が限られた中で「明日はどうなるのか」わからない状況で不安な日々を過ごしています。支えるご家族も同様です。
当日、病状悪化で参加が叶わなかった患者さんもいれば、私のように大切な家族を失った遺族もたくさんいます。この2年で知り合った患者さん達が次々に亡くなっている本当に悲しい現実・・・私達の切実な思いがなかなか伝わらず歯がゆいですが、これからも諦めずに患者や家族の思いを国に届けていきたいと思います。中皮腫が治る病気になるための薬が開発されアスベスト被害で苦しむ人が一人でも多く救われるよう願っています。
省庁交渉終了後は場所を移し、懇親会が行われました。初めてお会いする方や久しぶりの方々とも楽しく交流し、会の活動への思いを共有する貴重な場となりました。
翌28日は渋谷区総合文化センター大和田にて役員会と第22回通常総会が開催されました。
役員会では各支部の活動報告や課題を共有しました。支部ごとの取り組みの工夫がとても参考になりました。これからの活動にも活かしていきたいと思います。今後も、被害者の声が届くよう、活動を続けていきたいと感じた2日間でした。