アスベスト患者会:省庁交渉や韓国の支援団体との交流会

中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会
神奈川支部世話人 前田璃佳

 6月26日、衆議院第二議員会館にて省庁交渉を行いました。翌27日は、大久保建設会館で、午前は全国石綿連総合総会、午後は中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会の総会、その後、韓国の患者支援団体(BANKO)との交流会が開催されました。ダブル台風の影響による交通機関の乱れが心配され、地方から参加予定だった方々が急遽オンライン参加に変更、また翌日は総会前に帰路につかれた方もいらしたので当初の予定より参加者は少なくなりましたが、無事に開催できました。


 今回も昨年同様、各省庁へ要望書を提出し、事前のオンライン交渉を経て実施しました。「中皮腫を治せる病気にすること」「格差やすき間のない補償・救済を実現すること」を毎年訴えていますが、なかなか進展しない課題が多いです。環境省からは現行制度の考え方を説明する毎年ほぼ変わらない回答で、給付格差の解消や救済制度の抜本的な見直しについて具体的な方向性を示す回答は得られませんでした。厚生労働省の治療研究費の増額など一部前進した点もありました。昨年、「自分には間に合わないかと思うが、今後の患者のためにどうか治療開発をして下さい」と訴え、今年1月に他界された患者さんの言葉が忘れられません。


 総務省への交渉では、地方公務員災害補償基金の審査体制や、公務災害認定をめぐる問題の改善を求めました。裁判で公務災害と認められた事案の補償が1年以上も支払われてない問題や、認定審査における問題点について指摘しても、「関係機関へ伝える」「個別案件には回答できない」の一点張り。まるで自分達には直接責任の無い問題なので一切回答することはありませんというような態度を貫き通す担当者。問題や被災者に向き合う姿勢が全く感じられず、強い憤りを感じました。この不誠実な姿勢・体制が様々な問題を生み出しているように思います。


 翌日の全国石綿連総合総会では、韓国の胸膜中皮腫患者であるイ・ソンジンさんと支援団体BANKOの方のお話がありました。イ・ソンジンさんは2010年、19歳で胸膜中皮腫を発症し、片肺全摘出手術を受け、現在、発症から15年目です。幼少期に住んでいた自宅や学校、塾などでアスベストを含む屋根材が使用されていたことが、ばく露の原因と考えられています。闘病により長い間、経済的、社会的活動ができないこと、身体だけではなく精神的な苦しみも伝わってきました。また、前日の省庁交渉にも参加され、日本の患者会が行政に対して声を届け続けている姿勢に感銘を受け、「日本の患者会の熱意の高さを感じ、羨ましく思った」と話されました。


 歯がゆさを感じる省庁交渉ですが、諦めずに訴え続けることが必要だと改めて感じました。