音楽療法を体験してみよう♪♬ 中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 神奈川支部
2024年9月と10月の2回に分けて、音楽療法の学習会と実践を、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会「神奈川支部」として実施しました。いずれも講師は、医療現場で音楽療法を実践している今村ゆかりさん(横浜相原病院/東海大学)をお招きしました。
学習会では、日本緩和医療学会による『がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス』の内容を踏まえ、音楽療法の実践現場、医療の中での音楽療法、医学的音楽療法の基本原理、がんの補完代替医療としての音楽療法などについて学習しました。 実践編では、様々な楽器を使ってみんなで演奏するなど、楽しみながら一体感を感じさせる内容で、和気あいあいと行うことができました。
「神奈川支部」の世話人の前田里佳さんと、ゲスト参加の「北関東支部」の松島和枝さんからの報告です。【鈴木江郎】
前田 里佳さん(神奈川支部 世話人)
神奈川支部では、「代替療法としての音楽療法を学ぶ」をテーマに2回連続シリーズの交流会を、9月7日と10月5日に開催しました。東海大学講師・横浜相原病院で音楽療法士としてご活躍の今村ゆかり先生を講師にお招きしました。
第1回目(9月7日)は関東支部の会員さんのご参加もあり、8名が現地に集まり、またオンライン配信からもご参加いただきました。
音楽療法は、音楽の生理的、心理的、社会的な働きを利用して、心身の障害の回復、機能の維持改善、生活の質の向上を目指す療法です。施設や病院で実際にどのようなスタイルで音楽療法が行われているか、また音楽療法の基本的な概念や効能など座学を中心に学びました。
第2回目(10月5日)は北関東支部からもご参加いただき6名で音楽療法の実践を体験しました。 まず、ヨガのストレッチで肩周りや首周りをほぐし、身体をリラックスさせてからスタート。馴染みのある4・4拍子の曲を歌いながらリズム打ちをしたり、クラベスやウィンドチャイム、初めて見る海外の打楽器から各自好きな楽器を選び、曲に合わせて自由に演奏し、音楽と一体化する体験をしました。
次は、日頃聴き慣れない変拍子のリズムで難易度アップ! 5・4拍子の曲に挑戦です。2拍チームと3拍チームに分かれ、各パートを分担し、自分の役割を認識しながら音楽に取り組みました。
さらにハンドベル演奏では、それぞれ自分の音のパートを受け持ち、他の人の音を聴きながら自分の役割パートを演奏する形式で徐々に難易度が増し、集中力を要しながらも自然な形で取り組めました。
皆で声を合わせて歌うことや演奏することで一体感も生まれます。皆さんの「楽しい!」という声や笑顔が印象的でした。様々な角度から音や音楽を楽しみながら自然に集中力を養い、脳や心身に適度な刺激を与える音楽の力や、音楽が高齢者や患者さんの活力に繋がる可能性を感じました。
講座のあとはランチをしながら近況報告など和やかな時間を過ごし、参加者同士の交流を深める良い機会になりました。
松島 和枝さん(北関東支部)
神奈川支部よりお誘い頂き、10月5日㈯午前10時より野毛地区センター(横浜市中区)で行われた音楽療法実践編に北関東支部から参加させて頂きました。9月7日の座学に続いての実践編という事で、どんなことをやるのか興味津々で向かいました。
野毛地区センターに着くと今まで行った会場とは雰囲気が違い、広い室内にピアノが置いてあり、こういう会場もあるんだなあと新鮮でした。
講師は横浜相原病院・東海大学の今村ゆかり先生です。参加者の皆さんの自己紹介から始まり、「音楽療法」という医療的な内容に少し堅苦しさを感じていましたが、今村先生のジョークを交えながらのピアノ演奏で「なんとなくなんとなく」という歌を皆で歌い、少しリラックスしたところで、次の歌に合わせながらヨガインストラクターをされている方の指導でストレッチをしていきます。
心身ともにリラックスしたところで、次の歌「オーシャンゼリゼ」に合わせて、今村先生が持参下さった可愛いマラカスのような楽器や、民族楽器の「クラベス」という棒のような打楽器、小さなシンバルやハンドベルも鳴らして、きれいな音色がうまく奏でられるよう夢中で先生のピアノ伴奏に合わせていると、何だか皆で音楽の発表会に出ているようで、子供の頃を思い出したりして、楽しくて時間が過ぎるのを忘れていました。これが「音楽療法」。そこにいる皆が得手不得手関係なく楽しく笑顔で夢中になれる時間、薬でも点滴でもない、副作用もないから痛みもない、辛く苦しい治療中の患者さんにとっては、ひとときの心身への栄養剤になると思いました。私も日々の疲れを癒していただけたひとときでした。「音楽療法」の必要性・有効性を、北関東支部でも少しでも何かの形で活用させて頂けたらと思っております。
私個人の偶然でびっくりした話がありまして、神奈川支部のお一人の方のご実家と私の実家が同じ市内という、なんとも人と人の縁は味なものと実感しました。やっと季節も秋らしくなり、私にとって収穫の多い実りのある交流会に参加でき、神奈川支部の皆さんには感謝しております。ありがとうございました。