日本石綿・中皮腫学会学術集会に参加して:前田璃佳(中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会)
10月4~5日、神戸大学医学部神緑会館記念ホールにて開催された第6回日本石綿・中皮腫学会学術集会、市民講座へ参加しました。
初日は8時50分から18時25分まで分刻みのスケジュールで発表、セミナーが休憩なしで続きました。ランチョンセミナーはお弁当が配られ、席で聴講しながら食事を取る形式で、私は初めての経験でした。5分という限られた時間内で多くの情報を発表するので必然的に早口となり、しかも専門用語なので素人の私が理解するのは難しい内容でしたが、中皮腫について懸命に研究してくださる先生方の熱意を肌で感じられる貴重な機会でした。
2日目は、8時20分から開始。「中皮腫アスベスト疾患患者と家族の会」から、「終末期胸膜中皮腫の在宅での看護経験による早期ACPの推奨及び在宅ホスピス等の診療への橋渡し等に関する提言と要望」というテーマで発表されました。奥様の看取りの経験をもとに「早い段階で地域医療とのつながりを持つことの重要性」を提言する内容でした。質疑で、医師から「早期に地域医療と連携を図りたい気持ちはあるが、治療を最優先したい患者さんの中には終末期の話題を受け入れたがらない方も多い。どのような言葉がけをすれば自然にかつ受け入れやすく伝えられるのか?」といった現場ならではの率直な声も聞かれました。
午後の市民公開講座は、3名の医師の講演に続き2名の患者さんが発表。1人目の患者さんの「生きたいです!死ぬのは嫌です!」という切実な心の叫びが強く心に響きました。
2人目の中皮腫キャラバン隊の方は残念ながら8月にお亡くなりになったため登壇は叶わず、事前に撮影したビデオ映像のメッセージという形になりました。
患者さんと交流のあったキャラバン隊の方が涙ながらに、廣瀬さんのお人柄や病状について紹介されました。同じ病気で闘う同志との別れを何度も繰り返さなければならない辛さや苦しさが胸に迫りました。
ビデオ映像では病室から酸素を付けた状態で中皮腫発症の経緯や気持ちを語り、「中皮腫になり、死と背中合わせの絶望からキャラバン隊のおかげで一歩前へ踏み出すことができた」、「当たり前のように感じている命を大切に生きてほしい」とメッセージを残されました。
お会いしたことはありませんが、遺したメッセージは私の中にも深く残ります。どうか中皮腫が治る病気になりますように!という願いが年々強くなります。
