「ハラスメントの相談対応」-ユニオン全国交流集会in札幌-
10月15~16日にコミュニティ・ユニオン全国交流集会が札幌で開催され、私は「ハラスメントの相談対応」をテーマとする分科会を企画、運営した。全国各地でハラスメントの労働相談が増えていることもあり、18ユニオンの30人が参加した。【川本】
相談対応マニュアルの解説 はじめに、ひょうご労働安全衛生センターの西山さんが、職場のいじめパワハラ相談ホットラインなどで活用している「相談対応マニュアル」を解説した。
大切なのは相談員の心構え。質問に即答しようとせず、まずは相談内容に寄り添いよく話を聞くことが大切。だからと言って延々と話を聞き続けると終わらなくなるので最大でも50分で区切りをつけることも必要。電話では表情もしぐさもわからないので、対面よりも難しいことを自覚しないといけない。
受容と共感、話をまとめること、事実確認、必要に応じて専門家につなぐことといった相談の流れや、気を付けたい=言ってはいけない言葉、電話の切り方、相談終了後の対応方法まで具体的な説明は、多くの参加者に好評であった。
ユニオンから事例報告
続いて、よこはまシティユニオンが取り組む、大樹生命のセクハラ損害賠償裁判、日本生命のハラスメントをめぐる団体交渉、病院のハラスメントの一定の解決事例などの報告があった。実際のビラや要求書等に基づいた具体的なやりとりが説明され、ハラスメントの多くが、被害者が声を上げることから始まるが、労働組合として職場そのものの改善を求めていくことの重要性を共有した。
各地からの報告
参加者からは、病院での看護師長からのパワハラ、警備員の上司によるハラスメントなどの事例報告があった。また、電話が長時間になること、交渉をしても言った言わないの平行線をたどること、退職してからの相談が多いこと、加害者とされた労働者からの相談対応の難しさなどがあげられた。各地で労働審判や団体交渉などで工夫をして解決を図っていることが確認できた。
来年に向けて
寄せられたアンケート結果は概ね好評であった。時間が足りないので、もう少し議論を深めたい、労働委員会の活用について知りたいといった声などがあった。一つの事例を深く掘り下げて議論する、模擬団交や模擬相談会をするといった工夫も考えていきたい。