三菱電機で、メンタル労災被災者が9年ぶりに職場復帰!

【よこはまシティユニオン】

-みんなが働きやすい職場を目指して -

 神奈川県鎌倉市にある三菱電機情報技術総合研究所で働いていたAさんは、2013年4月に入社した。職場では長時間労働とパワーハラスメントや長時間労働が蔓延しており、Aさんもうつ病を発症して14年7月から休業を余儀なくされた。Aさんは実家に戻って療養していたが、15年9月に弁護士さんに相談して労災請求、16年3月によこはまシティユニオンに加入して会社に団体交渉を申し入れた。しかし、会社は長時間労働もパワハラも認めようとせず、Aさんを休職期間満了で解雇した。

 16年11月に労働基準監督署がAさんのうつ病を労災認定し、会社も解雇を撤回。その後、会社は労働時間管理のあり方を改善するなどしたが、あくまでも労災の責任を認めようとしない。こうした会社の対応もあって、Aさんは、転職を考えた時期もあった。しかし、他の事業所でもパワハラや長時間労働により自死するなどの労災や、品質不正問題が明るみになる中で、ユニオンの組合員として職場に戻り、職場改善に取り組もうと決意するようになった。

 すでに出身大学の研究室で手伝いをするなどリハビリをしていたが、21年1月から、職場復帰に向けた交渉を開始。会社も、以前と異なり、積極的に働き方改革を進めようという変化があり、「Aさんに職場に戻ってきてほしい」と言うようになった。1年程かけて、具体的な復職先やリハビリ就労の内容について調整した。22年4月からはWEB面談によるリハビリ就労を開始。22年11月から23年2月まで実家の近くのリワーク施設でリワークに取り組んだ。そして23年4月16日付でAさんはついに復職を実現。神奈川に戻って独り暮らしをすることは心身への負担が大きいため、遠隔地勤務制度を利用し、実家での在宅勤務とした。2ヶ月間の短時間勤務を終え、フルタイム勤務への切り替えもスムーズに進んだ。

 ユニオンは23年5月に遠隔地勤務制度規則の改正を求める要求書を提出。同規則では、遠隔地先での通信費や光熱費等は本人負担としている。Aさんのように労災が原因で遠隔地勤務せざるを得ない労働者には一定の手当を支払うべきだ。Aさんは今年からユニオン執行委員にもなった。三菱電機のみならず、仲間と共に少しずつでも職場の改善に取り組む。