センターを支える人々:山際正道さん(神奈川労働相談ネットワーク)

働く生徒がいたから、私は組合活動に入った

 私が就職した1968年の県立定時制高校の生徒には、遠隔地から神奈川に集団就職する人が多くいました。新卒の教職員より年上の人や大人の人間関係をよく知っている人等もいて、新卒教員としては教えられることも多くありました。夜食はパンと牛乳の補食給食でしたが、食堂が順次整備されていきました。部活動も盛んで、生徒に教わりながら教職員も一緒に体育系・文化系の諸活動に夜遅くまで取り組みました。明日の仕事もある中で勉学に部活にいそしむ生徒の姿は教職員のやる気を起こさせ、責任の重さを感じさせました。

 この学校の状況と活動を踏まえて私は1974年に神奈川高教組の本部役員になりました。神奈川高教組は、県立高校教職員を組織する労働組合です。当時、県当局からの組織介入・分裂攻撃があり、第2組合が結成されるなど大変厳しい情況にありました。しかし中卒者の急増に応じた高校100校増設計画が実施され、新採用者急増の中、組合加入が進み組織統一を成し遂げました。分裂攻撃を克服した神奈川高教組は全国でも有数の高校組織として県内・全国で役割を担うこととなりました。

 神高教の取り組む課題は働く者に必要な労働条件の改善です。例えば、働く女性の多い教育現場では妊娠・子育て等の課題は切実でした。女性教職員は力強く闘争に立ち上がり、それを支持する男性も共に闘争に取り組み、成果を上げ、その権利は全ての働く女性に広がってゆきました。また、平和の問題では多くの戦死者と国土の荒廃を生んだ戦争への反省から生まれた「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンのもと憲法9条を大切にする運動に取り組んでいます。平和は全ての人権の基礎であり、命なくして基本的人権なしとの思いは重要です。平和への思いの詰まった日本国憲法を大切にしてゆきたいものです。働く者の目指す権利と生活は団結と闘いの中から実現されます。仲間の皆さんと共に運動を進め目標実現を目指して闘いましょう。