くも膜下出血で倒れ、肺炎で亡くなったOさん、労災認定!

肺炎で亡くなったOさん、労災認定!

長期療養生活を経た脳血管疾患被災者の死亡は全て労災認定すべきだ
本誌7月号で紹介したOさんの遺族補償について、厚木労働基準監督署が労災認定した。
Oさんが55歳で「くも膜下出血」で倒れたのは、1998年7月のこと。

労災認定基準が改正された2002年、再審査請求中に処分が変更となり、労災認定された。
約18年に及ぶ長い闘病生活の末、今年3月に亡くなられた。

死亡診断書では、「直接死因」は「肺炎」で、「直接には原因に関係しないが傷病経過に影響を及ぼした傷病名」として「くも膜下出血後遺症」と記されていた。
労災で治療していた労働者が亡くなった場合、死亡原因と認定されていた疾病に因果関係があれば認められる。
例えば、「脳出血」が労災認定された人が「胃がん」で亡くなった場合、業務外となる可能性が濃厚だ。

Oさんの死亡診断書をそのまま解釈すれば、「原因に関係しない」と明記されているので労災にならない可能性もあった。
Oさんは、5月には労災請求に至り、監督署にセンターとユニオンも同行し、適切な調査と早期認定を求めた。
「夫が倒れた当時もそうでしたが、やっぱり諦めてはいけないですよね」とOさんは語る。
認定の事実のみならず、Oさんの長い経験は、他の被災者にとっても貴重な財産。

Oさんは現在、メンタル労災・パワーハラスメント・過労疾患の被災者の集まりにも積極的に参加して、会合を盛り上げてくださっている。【川本】