労働相談Q&A:月100時間までの時間外労働

質問
時間外労働について、忙しいときは月に100時間までは許されると大きく報道されました。私の働いている会社では、残業は多くても月50時間程度なのですが、社長が「これからは月に99時間でもOKだからな」などと言っています。半分冗談だと思いますが、労働基準監督署へ相談に行った方がいいでしょうか。

回答
報道では時間外労働の時間数ばかりが注目されてしまっていますが、労働基準法32条の1日8時間、週40時間という規制の原則が変わったわけではありません。99時間どころか、1時間でも時間外労働がOKではないのです。また、労働基準法35条では、週1日は休日を与えなければならないとされています。ただ、ややこしいのは同じ労働基準法36条で、労使が協定を結び労働基準監督署に届ければ、労働時間を延長したり、休日に労働させることができるとあります。その協定内容については、労使に任されているので、法的には何時間でも残業が可能になってしまっているのが実態です。監督署に行く前に、まずは、あなたの職場の時間外労働の協定はどうなっているのかを確かめてください。例えば、現在上限が50時間になっているものをわざわざ99時間にしないようにしてください。