労災相談Q&A:職場のストレスチェックについて

【質問】
小さな会社の管理職です。何年か前から会社でストレスチェックが始まったのですが、正直言って面倒なだけで、あまり意味がないように思います。部下のストレスチェックの結果はプライバシーの関係で回ってこないし、全体の結果なども、自分よりはるかに上の方の人しか見ることが出来ないそうです。先日は、仕事がうまくいかず明らかにストレスがたまっている様子の部下に、休んでいいから一度病院に行ったらどうかと言ったら、逆に精神病なんかじゃない、パワハラじゃないですかなどと、反発されてしまいました。意味がないのでやめることはできないのでしょうか。

【回答】
50人以上の事業場の場合、法律で義務化されていますので、すぐにやめることはできません。実施していないと思われる(イコール)労働基準監督署に報告していない事業場も2~3割あるようです。ストレスチェック制度の目的は2つあります。ストレスが高い本人の気づきと、集団分析結果に基づく職場改善です。ところがご質問の通り、高ストレス者とされた本人が面接指導を希望しなければ、上司はもちろんのこと、会社に全く情報は来ません。だからこそ、個人の気づきや意向とは関係なく、職場全体の集団分析とその結果に基づく改善が重要なのですが、それは努力義務に過ぎません。ただ、厚生労働省が3月に公示した「第13次労働災害防止計画」の目標に、「ストレスチェック結果を集団分析し、その結果を活用した事業場の割合を60パーセント以上(37.1パーセント、2016年)」と掲げられていることから、なんらかの具体的な活用方法や指示があると思われます。