被ばく労働春闘、抗議行動と集会

 4月10日、被ばく労働を考えるネットワークが呼びかけ、被ばく労働春闘行動と集会が行われた。団交拒否を続ける竹中工務店への抗議行動、廃炉作業に携わる労働者の賃金引き上げを求める経済産業省との話し合い、そして夜には集会が開かれた。なお、原子力損害賠償・廃炉等支援機構は、申入れに対する文書回答はしたが、面会は拒否した。【川本】

竹中工務店へ抗議

 福島第一原発事故の収束・廃炉作業の被ばく労働が原因で、急性骨髄性白血病で労災認定されたあらかぶさんは、東京電力を相手取る損害賠償裁判を闘っている。また、原発関連労働者ユニオンに加入して、元請会社のひとつである竹中工務店に団体交渉を要求している。竹中工務店は、雇用主ではない、過去のことである、賠償責任は東京電力にある、などの理由で交渉拒否。原発の廃炉作業現場においては、東電や竹中工務店のような元請事業者は、下請け業者以上に、被ばくをはじめとする安全管理責任を担っている。また、東電が割増して支払っているはずの危険手当は各社バラバラで、全くもらっていない労働者もいた。実は、あらかぶさんは、そのことが原因で退職を決意した経過がある。

 23年4月、ユニオンは、竹中工務店の団交拒否は、労働組合法で禁止された不当労働行為であるとして東京都労働委員会に救済を申し立てた。調査の過程で都労委から和解も勧められたが、会社側は一貫して拒否。24年2月に審査(証人尋問)が開かれ、会社側からは現場の事務長が、ユニオン側からはあらかぶさんと当時の同僚が証言した。事務長は、普段は駅近くの事務所で事務的業務にのみ携わっており、原発の現場にはほとんど行ったことがない事がわかった。あらかぶさんや同僚は、現場での実際の竹中工務店の責任者らとの関わりについて詳しく説明した。今後、ユニオン側はさらに放射線管理や危険手当に関する資料等を提出する。なお、5月14日に開かれた調査で、8月5日の結審が決まった。4月10日は竹中工務店東京本店(江東区)前で、マイクを使ってアピールしながらビラを配布した。

春闘集会

 集会には、原発内被ばく労働や事故後の除染作業に従事して被ばくし、悪性リンパ腫で労災請求中の労働者も参加された。現在、調査は終了し、本省の検討会開催と結果を待っている段階である。