アクサ生命はセクハラ労災の責任を取れ!Aさんの解雇を撤回せよ!

よこはまシティユニオン
 Aさんは2016年頃に精神疾患を患いましたが、ほとんど薬も飲まなくても済むようになった2018年6月、アクサ生命本社に、障がい者雇用枠で採用されました。職場には聴覚障がい者が多数働いていたので、手話も勉強して会話できるようになりました。
 仕事ぶりも評価され、正社員になる話もあった2021年11月末、50代の既婚男性K氏から、いきなり二の腕を揉まれたり、手話によるセクシュアルハラスメントを受けました。適当にあしらっていたのですが、2022年1月から席が隣になってしまい、セクハラ行為が毎日のように行われるようになりました。同年2月になって、「やめてよ!」と強い口調で言って腕を振り払うことで、ようやく行為は止みました。そのことを上司が2月半ばに知ることになるのですが、被害者であるAさんが、「なぜ事実を全て話さなかったのか」「次に嘘をついたら自分の信用を無くす」と厳しく注意されました。
 一方、年度末で業務が忙しいにも関わらず、チームリーダーにはマネジメント能力が無いという理由で、Aさんは更にチームマネジメントの仕事を増やされました。Aさんはシングルマザーで、小学生の息子からは午後6時頃に「いつ帰ってくるの?」と電話がかかるようになりました。上司は「正社員になれば残業は仕方がない」、「子どもに我慢してもらうしかない」 という対応でした。また、K氏と接するのはつらいと訴えましたが、上司は、「K氏もつらいかもしれない」という不可解な対応でした。
 ついにAさんは体調を崩し休まざるを得なくなり、2022年5月には「重度のうつ病」と診断されるに至りました。その後も上司や会社の対応は適切ではなかったのですが、とにかく治療に専念しました。その後も上司の対応に耐えられず、医療機関が間に入ってくれることなりました。
 2023年12月、Aさんは、会社の「内部監査本部内 レスキューダイヤル」にK氏のセクハラや上司の対応について、「内部通報」しました。上司の対応はハラスメントではないとしながらも、2024年2月末にK氏のセクハラ行為を認定し、懲戒処分の検討をするという通知がありました。2024年5月には懲戒処分されたようですが、内容は不明です。
 2024年10月、会社から、12月中旬には休職期間満了になるのでそれまでに復職しないと退職扱いになるとの通知がありました。Aさんは弁護士などに相談して、よこはまシティユニオンに加入。労災請求するとともに、会社に団体交渉を要求しました。要求内容は、会社が労災と認めて労災保険請求手続きに協力すること、K氏のセクハラを防止できなかったことやその後の対応が十分でなかったことについて謝罪すること、休職期間満了による解雇をしないことなどです。
 12月には団体交渉が開催されましたが、会社は、労働基準監督署の調査には協力するが、会社は労災と考えていない、会社の対応に問題はないという回答でした。交渉しても会社の回答は全く変わりません。30分で交渉は決裂しました。
 その後、会社は、休職期間満了でAさんを退職扱いとしました。本来はAさんが休業してから間もなく、遅くともK氏のセクハラを事実認定した時点(2024年2月)に労災請求手続きを勧奨していれば、労働基準監督署は決定していたでしょう。労災になっていれば、解雇はできません。
 ちなみに、団交に出席した会社担当者の名刺には、カラーで「健康経営アクサ式」、経済産業省が認定する「健康経営優良法人」のマークが記され、「子育てサポートしています」等と書かれていました。
 Aさんのセクハラ問題の解決を怠った会社の対応は、健康経営どころか、女性、非正規労働者、精神障がい者に対する複合差別です。ユニオンは、一日も早くAさんの労災認定を勝ち取るとともに、会社の責任を追及する決意です。 【川本】