センターを支える人々:前田 里佳さん(中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 神奈川支部世話人)

 「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」神奈川支部の世話人の前田里佳です。ヨガインストラクター、パーソナルカラー診断士をしています。

 22年12月に父を悪性胸膜中皮腫で亡くしました。病名確定からわずか4ヶ月の短い闘病期間でしたので、訳のわからないうちにあっという間に亡くなってしまった…というのが率直な気持ちでした。父亡き後、「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会」のご支援のおかげで労災認定されました。
 私は、父の病気がなければアスベスト問題に特別に関心を寄せることはなかったと思います。この2年間で患者さんや支援団体の方々との交流を通して、関わる方々の生き様に刺激を受け、父の死を無駄にしないためにもアスベスト問題から目を逸らさず向き合いたいと思うようになりました。
 1月25日には「中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会 沖縄支部結成記念講演会」に参加しました。第一部は琉球大学病院、沖縄病院の3名の先生方の講演、第二部は先生方と中皮腫患者さんとの対談が行われました。
「患者さんや家族の気持ちを知りたい!」と真摯に向き合われる先生方の姿に深い敬意を感じました。
 また、中皮腫サポートキャラバン隊の前理事長の右田孝雄さんが生前、沖縄に旅行をされた際に、沖縄在住の患者さん方に声をかけて一緒に集まり、食事を共にして患者さん同士を繋げたことが今回の沖縄支部結成に繋がった!というお話も聞けました。右田さんの活動が、亡くなってからもこのように実を結び、天国からも患者さんや家族をサポートしてくれていると思うと、温かい気持ちになりました。

 父がアスベスト起因の中皮腫で命を失ったことはとても悔しく、残念な想いは消えませんが、同時に私へ大きなものを遺してくれたと感じています。父の死が与えてくれた出会いやご縁、そのかけがえのないギフトをこれからも大切にしていきたいと思います。