被ばく労働ネット春闘行動(4/22)

 当センターも参加している「被ばく労働を考えるネットワーク」は、毎年春闘時期に、行政や東電など関連企業へ要請を行い、集会を開催してきた。今年も4月22日に、昼間は、原発労働者関連ユニオンとの団交に応じない竹中工務店前での抗議・ビラまき、要請を受けようとしない経済産業省への抗議、東京電力への要求書提出を行った。夜は、東京新聞の片山夏子記者の「福島第一原発事故から 15 年 作業員の労働環境はどう変わったか」と題した講演会などを開催した。

竹中工務店の不当労働行為を許さない!

 2011年10月から、東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事していたあらかぶさん(ニックネーム)が、退職直後の2014年1月に急性骨髄性白血病になった。労災認定されたあらかぶさんは、東京電力を相手取る損害賠償請求訴訟を闘っている。裁判が長期化する中であらかぶさんは、詳しい被ばく労働の作業内容や線量管理など安全衛生対策の状況などを知るために、一人でも入れる労働組合「原発関連労働者ユニオン」に加入した。

 2019年7月、ユニオンが東京電力に団体交渉を要求したが、東京電力は発注者に過ぎない、被ばく管理を行っているのは元請け企業と協力企業である、と言う立場を固持。そこでユニオンは、2022年10月、元請の一つである竹中工務店に団体交渉を要求した。しかし、竹中工務店も雇用主ではないなどの理由で団体交渉を拒否。ユニオンは、団体交渉拒否は労働組合法で禁じられた不当労働行為に当たるとして、東京都労働委員会に、不当労働行為救済申立てを行なった。

 2025年1月29日、東京都労働委員会は、竹中工務店は、あらかぶさんが働いていた当時の被ばく労働管理などの作業環境に係る事項について、団体交渉に応じなければならないと命令した。ところが竹中工務店は、その命令に従わず、東京地方裁判所に命令の取り消しを求める訴訟を起こしたため、現在も係争中である。被告はあくまでも東京都なので、ユニオンは補助参加人として準備書面を提出するなどの対応を余儀なくされている。竹中工務店は被ばく管理をしているのは東京電力や被ばく線量を測定する専門業者であるから、団交に応諾する義務はないと主張している。

東京電力は死亡災害に真摯に向き合え!

 原発関連労働者ユニオンは、東京電力に対して多岐にわたる要求書を提出してきた。東電は団交を拒否しているが、文書による回答を行っている。

 2025年9月3日に、福島第一原発で使用済み核燃料を取り出すための大型カバーを設置する工事に携わっていた40代の男性作業員が倒れ、病院に運ばれたが死亡が確認された。報道によると大型カバー設置工事を担当する共同企業体の下請けに所属するとされていた。ところがユニオンへの昨年12月の文書回答で東電は「元請会社は東京パワーテクノロジー株式会社で、当該作業員は元請けに所属する委託実施責任者です」とした。

 そこでユニオンは4月に、東京パワーテクノロジー社に事実関係を明らかにするよう求める要求書を送付した。すると東電から「回答が間違いだった」という連絡が入った。亡くなった人の所属を間違えるなどあり得ない話である。5月に届いた回答によると、正しくは「元請け会社は・・・共同企業体(代表=鹿島建設)」であり、「当該作業員は2次請けの協力会社に所属」とのことである。

 大型カバーを設置する工事が、どのような請負関係にあるのかも定かではないが、いずれにせよ、構内で亡くなった方の所属を間違えるというのはあり得ない話であり、問題に真摯に向き合おうとしているとは思えない。

「何も変わっていない」(片山夏子さん)

 夜の集会では、片山夏子さんが、15年前と比べれば、現場は、がれき等は片付けられ、被ばく線量も低くなったとされているが、現場の状況は何も変わっていないと語った。今でも、考えられないくらい高線量の被ばくを余儀なくされる労働者はいるし、先が見えない状況は続いている。

 私たちも福島第一原発の事故を忘れることなく、粘り強く交渉、行動を続けていきたい。 【川本】