旧国鉄・JRアスベスト裁判:鉄道運輸機構とJR東日本は、「肺がん原因はタバコ」と主張

旧国鉄・JR大井工場アスベスト裁判を支援する会
事務局長 小池敏哉
 原告Kさんが1月24日急逝され、代わって2人のご子息が裁判を引き継ぐこととなりました。 口頭弁論当日は、支援者ら16名が地裁に集合し、10時からの裁判には15名が傍聴に臨みました。
 裁判長から、3月15日付被告準備書面等について確認、被告代理人に今後の考え方について質問がありました。「被告準備書面にはいろいろ主張がある。それぞれ書面にて反論するのか」「たばこを吸っていたことで肺がん発症の可能性が2倍とする説明を」。これに対し、被告代理人は、「肺がん発症はたばこが原因。原告は1日20本35年も吸っていた。肺がんの発症リスクが2倍は医学的見解」「乾燥肺1g中石綿5000本が認定基準。原告は2700本ほどであり、たばこが原因でそれに石綿が影響したもの」「石綿2700本は大したものではない。石綿を使用したのは実際2ヶ月程度と思われる」等と主張。また、裁判長からの質問に対し興奮して反論し、感情的にならぬよう諫められる場面もありました。

カルテの提出について

 求釈明で、原告の診療記録(カルテ)等の提出を求めていることについて、原告側が「何のために求めるのか? 主治医は診断書並びに提出した写真等で足りると言っている」と反論。これに対し、「診療記録で石綿が原因ではないことを確認するため」と主張。裁判長も「出せるものであれば検討してもらいたい」とし、主治医とも相談し検討することとなりました。
 
次回は6月8日

 裁判長から、準備書面の反論と求釈明の対応を求められ、準備に相応の時間がかかることから次回は6月8日(火)10時~(東京地裁415号法廷)に決定しました。なお、4月1日から裁判所の所属部が民事26部に変更となりました(裁判官及び書記官の変更はなし)。
 裁判終了後、法廷控室で裁判報告を行いました。弁護団から裁判の解説や、今後の進行について考え方等を報告頂きました。続いて、裁判を引き継いで原告となったK勉さんから、K義則氏の葬儀への会葬お礼と、兄とともに頑張っていきたいとの挨拶がありました。参加者を代表して国労東京地方本部の高瀬執行委員から激励の挨拶を頂きました。他傍聴支援に国労東日本本部、同神奈川地区本部、同東京支部、同東京総合車両センター分会、国労東京OB親睦会、国労大井OB親睦会、神奈川労災職業病センターから複数参加がありました。今後は双方書面提出とそれへの反論、その後の証拠調べ(証人)、弁論終結、判決の流れとなりますが、争点が明確になってきたこともあり審理が本格化します。引き続き、皆さんの裁判支援並びに支援会への加入、協力を願いします。
 
国労各機関を表敬訪問

 裁判終了後に、JRアスベスト裁判支援の会は、新橋5丁目交通ビル内の国労本部、同東日本本部、同東海本部に要請を兼ねて表敬訪問しました。1月22日にも同会小池事務局長らで要請を行っていますが、同会の藤野会長、佐藤副会長、池田事務局次長らが訪問し、裁判の報告と引き続いての支援を訴えました。
 また、3月26日には品川労基署にKさんの労災遺族補償申請を行いました。