センターを支える人々:菅谷吉男さん(大工・神奈川建設ユニオン)

 こんにちは。神奈川建設ユニオン労働問題対策部部長の菅谷吉男です。当組合では昨年度に2名の方がアスベスト疾患により亡くなっております。組合員の命を奪ったアスベスト。大変深刻であるアスベストの問題についてお話しさせて頂きます。

 08年5月に始まった建設アスベスト裁判は、13年という長い闘いの結果、昨年、国とメーカーの責任を認める判決が最高裁で出されました。この判決はアスベストばく露により病気を患った方々とそのご家族にとって大きな前進であったと思います。建設労働者の集う当組合にとっても有意義な出来事で、新たな一歩を踏み出す力となりました。

 アスベスト建材の使用が禁止されている現在も、建設工事現場ではアスベストばく露の危険と向き合いながら働いています。この状況下ではアスベスト被害はまだまだ拡大していく可能性が高いと考えます。当組合では前年度に続き今年度もアスベスト問題を重点課題として取り組むことが定期大会で議決されました。組合員とそのご家族を守るため一人ひとりに安全衛生面を含めアスベスト問題に関しての取り組みを広めていく所存です。神奈川労災職業病センター、関係団体のご協力に感謝申し上げます。今後とも宜しくお願い致します。

*神奈川建設ユニオンは、神奈川県の建設業界で働くあらゆる職種の仲間で運営しています。組合員の皆さまの仕事と生活を守るために、そして、建設労働者を守るユニオンの発展のために4本の柱(労働・事業・組織・財政)を掲げ活動しています。活動の一部を紹介すると、各種共済制度・建設国保・労災保険等を提供し、組合員と家族に安心の基盤を届けています。また、仲間が集まる地域会合やレクリエーション等で親睦交流を深め、組合活動の強化、暮らしの改善、職人の生活文化の向上を目指しています。

 この間、大きな活動の課題として、建設アスベスト問題があります。アスベストばく露が原因の肺がんで亡くなられた大工さんの労災認定を求める訴訟、中皮腫で亡くなられた左官屋さんの東日本建設アスベスト訴訟への支援を、神奈川労災職業病センター、関係団体の皆さまと共同して行ってきました。組合単独では難しい課題も多々ありますが、これからも関係団体の皆さまのお力添えにより力を発揮したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。