センターを支える人々:小澤 満夫さん(静岡ふれあいユニオン執行委員長)

 1986年、静岡ふれあいユニオン(以下、ユニオン)は、当時の静岡地区労が中心となって結成されました。91年、地区労解散を経て、ユニオンは、連合に行かない、行けない労働組合の共闘組織、静岡県中部地区労働組合会議(以下、地区労)に加盟し、地域の労働者、市民に支えられて活動してきました。活動範囲は県中部地区が中心です。しかし、愛知県や浜松市、御殿場市、下田市など県外、県東、西部、伊豆半島などの労働相談に取り組む場合もあります。事務所は、JR静岡駅南口徒歩1分のビル3階。静岡にお越しの節は、お寄りください。

 組合員数は、結成以来50名前後です。加入、脱退も激しいですが、この人数だけは維持できています。在籍5年以上の砂金のような組合員は9名ぐらいです。うち7名は仕事を持っています。彼らに活動参加を無理強いしません。湯浅誠さんの「できることを、できるところから」参加してもらっています。休日行動や打合せ参加、書面作成など、彼らにできることはたくさんあります。年金組合員が多数であり、時間はあっても体や頭が言うことを聞かない場面も多々出てきています。それでも専従者はゼロですので、お互いに老骨に鞭打ち合いながらの活動です。

 特徴的活動は、年4回、静岡市繁華街公園にテントを張り展開する「青空介護・労働相談」です。相談呼びかけのほか、その場でテント内労働相談に応じます。好評です。でも、やはり電話相談が中心です。ユニオン結成後10年ぐらいは労働相談数は年に2、3件ぐらいでした。しかし、95年、静岡市長の弟が経営する静岡リハビリテーション病院で起こった職員4名解雇事件を5年間取り組む中でユニオンの認知度もぐっとあがり、近年は年間50件以上の相談案件に取り組んでいます。外国人労働者の相談増加が最近の特徴です。劣悪な職場環境に働く彼らの相談は、マグロ切断に伴う手指切断、骨折などの労災相談が多いです。女性外国人労働者では、マタハラ解雇相談も多く、交渉でほぼ全件解決に至っています。日本人の労災相談では精神疾患が中心です。最近では、派遣女性労働者がメタノール薬物中毒を発症し、生活に大きな障害を受けている事案を神奈川労災職業病センターの支援を得て闘っています。その他、逆パワハラ事件、パワハラ事件、トラック労働者賃金未払事件、介護士不当降格事件などについても取り組んでいます。

 今後の課題は、地域のネットワークを大事にしながら、財政、組織を強めて、組合員がより活動しやすい環境整備をしていくことです。それまでは、私たちは地べたに這いずっても歩みを止めません。皆さんのご支援をよろしくお願いします。