脳出血で倒れ闘病生活13年 廃用症候群で亡くなったKさん労災認定

三洋電機の業務用電化製品の訪問修理業務に従事していたKさんは2001年10月、55歳の時に過労のため脳出血で倒れた。不当にも労働基準監督署が労災と認めなかったため、行政訴訟を経て、09年にようやく業務上認定を勝ち取った。そして約13年に及ぶ闘病生活の末、14年7月に亡くなられた。死亡診断書の病名は「廃用症候群」であった。
Kさんが長い療養生活の中で脳出血を再発したり、脳膿瘍や様々な病気になったのは事実である。結果として死亡診断書の病名が廃用症候群であろうが何であろうが、脳出血と因果関係があれば問題なく労災遺族年金も支給されるが、仮に因果関係がない別の病気や事故で亡くなった場合は、支給されない。
ちなみに廃用症候群とは、寝たきりや過度の安静状態が続くことで体や脳の機能が低下する状態を指す。Kさんは脳出血にならなければ、68歳でそんな状態にはならなかったのだから当然、労災と認められるべきだ。
行政訴訟で勝訴を勝ち取った小宮弁護士とも相談しながら、お連れ合いが病院のカルテを取り寄せるなどの準備も経て、遺族補償の請求をしたのは15年4月。監督署は、すでに障害年金を支給していたので、Kさんがどのような治療を受けていたのかについては全く何の資料も持っていない。そこで最近の医療記録などを取り寄せて、医師に意見書を依頼したり、その検討をするのに一定の時間が必要だったようだ。ちょうど一年後の16年4月にようやく業務上認定の知らせが届いた。【川本】